「エリィさん、今ちょっと良いですか?」
コンコンと部屋の戸をノックする。
エリィのどうぞと言う声と共に、扉が開いた。
エリィは丁寧だ。わざわざ開けに来てくれたことが嬉しい。
「どうぞ、入って」
「はい」
「また、下かしら?」
「ええ」
椅子を勧められて、ちょいと腰掛けた。
最近、下の階が騒がしい。それも教育上あまり良くない意味で。
だから声がし始めるとエリィの部屋に非難することが日課になっていた。
「まったく二人とも仕方ないわね・・・、でも良かったわ」
エリィは紅茶を注ぎながら、ふふと笑う。
「じれったかったですからね」
「じれったかったわね」
お互い顔を見合わせて少し笑う。
「まるで保護者ね、これじゃあ」
エリィは淹れた紅茶をテーブルに並べてお菓子の箱をことりと置いた。
みっしぃのクッキー。好物だ。
「エリィさんは」
「二人の時はエリィにして」
エリィはにこっと笑う。
心の中ではとっくに呼び捨てにしているのだが、いざやとなると少し照れくさい。
「・・・エリィは、ロイドさんとランディさんのこといつから気づいてました?」
「そうね、旧市街でチェイスしたあたりかしら、まだあの時はランディの片思いかなって思ったけれど。ティオは?」
エリィは二人の時だけ呼び捨てにする。
それはエリィの決めた私達の秘密だ。
「私は・・・波長が徐々に変わっていくのを感じていましたが、明らかな変化を感じたのはエリィと一緒です」
「そう、じゃ、やっぱりあの時に色々あったのね」
「男の子は秘密がいっぱいと言うやつですか」
エリィはふふ、と笑って紅茶を一口すする。
「女の子にも、秘密はいっぱいよ?」
キスしましょう?
エリィは照れもせずに、そう誘う。
私はその言葉に抵抗できない。
テーブルを回って、傍にくるとエリィの手が肩に乗る。
細いしなやかな指。きれいに手入れされた爪が目に入る。
ゆっくり近づいてきたエリィの唇を受け止めて、そのままうっすら目を開ける。
(きれい・・・)
エリィは舌を入れてくる。
ぬめった感触にぶるっと身を震わせて、思わずエリィの肩に手を置いた。
「ベッドに行く?」
「あ・・・。」
太ももをもじもじさせているのを見られたらしい。
うずく熱を言い当てられて、少し顔が赤くなる。
「ロイドの声聞いて、当てられちゃったのね」
「ん・・・っ」
耳に舌が来る。耳朶を甘く噛んで、穴の中に舌が入ってきた。
「ベッドに行きましょう?」
きゅうっと抱きしめられた。
布越しの体温。エリィの柔らかい胸にどきどきする。
囁かれた声を振り払う理由などない。
エリィの指が顔の輪郭をなぞって、唇を撫でた。
私は無意識に立ち上がる。
「はい・・・」
熱に浮かされたようにふらっと歩き出して、手を取られた。
「エスコートしましょう、お姫様?」
ベッドに寝転がると、少し真剣なエリィの顔が近づいてくる。
私の小さな胸にそっと触れる感触にびくりとした。
「私たちの秘密は、バレないようにしなくちゃね」
女の子には秘密が似合うから。
そう言ってエリィが私を愛撫する。
その手に縋りながら、今日は長い夜になるなと思った。
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エリィ×ティオでした。
ランロイがあんあん言ってたところで
エリティオも同じことしてましたーっていう話です。
エリティオは順番を逆に出来ません。お嬢が男前過ぎる。
あきやさんは百合ならエリティオ、フラン×ノエル推しです。
セシル×イリアも美味しい。リーシャ×イリアとかも。
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